【両親の死と子供のキモチ】 病院からの脱出! 父編②

両親の死

原因不明の息苦しさの症状が悪化したため入院した父。 非情にも原因が分からない。頼みの酸素吸入も血液中に十分に酸素があるので酸素マスクもしてもらえない・・・。何も治療がないままの状態から脱出する為にがんばる父なのでした

※ 「病院が変だ」という話しでも「死んだらおしまい」という話しでもありません。この世が変であることをひっくるめて全てが繋がっている・・・そんなおはなしです。

退院に向けて

病院からは

「原因不明です」

「精神的なところからきているのではないか?」

「う~~~ん」

と、なんとも歯切れの悪い所見が出ました。 その間にも体力がなくなり、歩行も補助器を使い始めました。 ずっとあの環境で体調は改善されるの?? そうです、2023年春、日本ではマスクは個人の判断と当然の流れになっているにもかかわらず、病院内はコロナ対策も猛烈続行中。息苦しい父にもマスクを強要してきます。 家族の面会(2人が限度)も週に2回の設定された時間内に。 平日の面会、家族はたいてい会社勤めやパート、学校へ行ったりしている時間に面会時間が割り当てられる。老夫婦ならばバスかタクシーしか足の手段がない場合もあります。 病気で元気のない家族に気軽に会いたいときに面会にいける機会はもはやこの国にはないのです。 そして決まって病院側は

 

家族の力・・・。 患者さんたちには面会は一番のお薬ですね!!!(笑顔)

それも結構目をキラキラさせて言ってくださる。。

おおきん
おおきん

どの口がいうの。 会いたくても簡単にあえないでしょっ・・・´

 

そんな環境の中、父は「どうしても家へ戻る!」と決意しました。 なんだかんだで約2週間、病気の原因を突き止められず、だからと言って自由に病院内を歩くこともできず、すぐに息切れを起こす父はほとんどの時間をベッドの上で過ごします。入院前の1ヶ月間、整体治療で少しずつ凝りをほぐし血流を体中に流すようにがんばったのに、よりによって入院によりほとんど寝たきりで筋力を失うようになりました。。 病院からは治療方法も見つからず、これといった提案もなく、父は希望をなくし、不眠に悩まされそして急激に体重を落としていきました。 

 帰ると決めた父は歩行リハビリを廊下にて始めました。 看護士さんからは「本当に驚く変化」という表現を頂戴したほどに頑張りました。

 

【帰りたい】という強い気持ちが体を変える

そんな風に感じました。 病院からはリハビリ施設のある病院への転院を勧められましたが、父の思いはただ一つ

オレの家へ・・・戻る!

オレの家へ戻ります

入院前より更に痩せてしまい、体力がどこまで持つのかは未知だった。 しかし、父は自分の生活拠点である父の家に戻る決意をしたのです。 ほとんど歩くことも出来なくなってきたが、リハビリを頑張り、杖をつきながらも一番落ち着く我が家へ絶対に戻る。 母の待つ我が家へ戻る準備がはじまりました。

ナース
ナース
 
 

本当にスゴイです! リハビリだと言って、廊下を何度も歩く練習を始めていました。

別人のようで、信じられないくらいですよ!

面会へ行くと看護士さんが声をかけ、わたしにそう言ってくださいました。 ほとんど寝てばかりになってしまった父の家へ帰りたいという気持ちの強さが胸に響きました。

 

銀歯の被せもの

入院してまもなく奥歯の銀歯の被せものが取れて思うように噛めない・・・

と、言っていた父。 退院の意を申し出て、病院の先生も万全の体制を取り送り出しの準備をしてくださいました。 被せものが外れたままでは退院した後困るので、一時外出許可をだして下さった。

ナース
ナース

早速ですが、歯医者さんへ手配を取ってください! 出来るだけ早くにお願いします~

いつも病院は急なお願いをしてくるものなのです。 いきつけの歯医者さんの予約、なかなかすぐには取れないんだけどなぁ・・・治療後の再予約は必ず一ヵ月以上後になるほど患者で一杯のところです。

おおきん
おおきん

突然ですみませんが、できるだけ早く予約をしたいのですが・・

父の退院日程は決まった。 エンドに向けて、どうしても取りたい予約・・・ 慌てて歯医者さんへ電話を話し、最速予約をお願いしました。すると

ナース
ナース

明日でも大丈夫ですか? 先ほど予約のキャンセル電話が入りましたのですが明日の朝9時頃なら取れますよ

このような不思議な出来事は沢山起こっていました。 まるで目に見えないレールに乗っているかのように偶然が。 ともかく『ありがとう』と感謝しながら歯医者さんへの予約も取れ、その後銀歯は強力な接着剤のようなもので無事にくっつけいただいたのでした。 歯医者さんは「一日では完璧に治せない。 しばらく通うか・・」と提案がありましたが、もう歯医者に通うつもりもありませんでした。 ”しばらくの間だけでも歯にくっついていたらよい。外れたらまたその時に考えます”のスタンスだったので、短時間で治療は終わりました。 歯医者にもよく通っていた父。この日が父の人生最後の歯医者さんとなったのでした。

歯医者から病院へ戻る途中に母の待つ家があります。 病院へ戻る時間も設定されているけれど、少しくらいの時間はある。 母には知らせていなかったが、予定外の超短期帰宅もしました。

車を停め、降りるときに玄関のドアが開き、母が出てきた。 感動の再会! と思いきや母から出た言葉は

みっちー
みっちー

だれや?

だった(笑)。 ここはボケではなく本当にまさか父が帰ってくるとは思っていなかったから出た言葉だったのですが。 事情を把握した母は父を誘導し、父の定位置へと座らせ、熱いお茶を振舞いました。 一服して父は

「あぁ~、最高やわ」

と、言いました。 僅かばかりのオアシスタイム。 でも気分転換も出来てわたしも本当に嬉しかった(つづく)

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