人生は一度きり
死んでも悲しむな
現在80を過ぎたみっちー(母)が昔からいう口癖があります。
ワシが死んでも悲しまんでええんやで
泣き過ぎるとお前の事が心配になって
安心して天国行けへんからな
大丈夫、上からいつも見守ったる
小さな頃から実家では色んな動物をペットとして飼ってきました。そして、その度に経験するのがペットの「別れ」でした。 突然の事故・病気・寿命など死因は様々ですが、我が家では沢山のペットがいたので「死」は身近にありました。
鳥類との別れ
哺乳類との別れ
魚類との別れ
大切なペットが亡くなると、涙がこぼれ落ち、悲しみに暮れてしまいがちなのですがその都度母は
「あの子たちも天国に行くから、そんなに泣いていたら心配で天国行けなくなる。お前が泣きすぎて足をひっぱったらアカンでな、ほら」
と、慰めてくれたものです。
母のこと
みっちーはとにかく個性的な人です。 愛が深く、楽しいのが大好き。 そして涙をあまり流さない・・
母が高校3年生の時に父を亡くしています。(つまり、私のおじいちゃん) 突然の死だったようです。 私が小さなころに聞いたことがあります
「おじいちゃんが死んだ時、おかあちゃんは泣いた?」
と。すると母は
泣いたと思うけど・・でもそんなワンワン泣かなんだと思うヨ
また、母の母(つまり私のおばあちゃん)が亡くなった時は、まさに目の前で見送りました。 私はずっとみっちーを見ていたのですが、一度も涙を流していませんでした。(私が見ているところでは)
おばあちゃんは老衰です。 丁度おばあちゃんの家に定期的にお医者様の回診がありました。その時はみっちー母もおばあちゃんの家(実家)に遊びに行っていました。 そして回診が終わり、おばあちゃんが
と、言った数分後に天国へ行ったというのです。 お医者さんはすぐにわかったようですが、その場にいた母や姉妹や家族達は誰も信じられなかったといいます。
「え! またまた御冗談を! さっきまで話してた・・」
という位に呆気なくこの世から去ったのです。
あまりに突然に、寝ながら逝ってしまったので、そこにいた全員涙一滴もこぼれず・・
おばあちゃんは90歳を越えていました。
歳を取ると考えも変わる
子供の頃の「死」の恐怖は巨大でした。
しかし、大切な動物や親戚の死を目の当たりにし、それでも残された人達は普通の日常を送り、笑いあり涙ありの生活の中でこの ”普通の日常” が人生そのものであって、特別でない事含めすべてが特別なのだと思うようになってきました。
今は「死」そのものは恐怖ではなくなりました。 この世に誕生した以上は終わりを迎えるのは当たり前。
出会った沢山の人達や風景や経験は宝となります。
子供の時にみっちーに何度も言われた
「死んでも泣かなくていいんだよ」
というのは、今はとてもよく分かります。 私には息子がいるので、同じ事を言いたい。 私が死んだときに、泣き崩れ自暴自棄になり毎日毎日メソメソしていたらこちらが困っちゃう。 でも、まだ息子は小さな子供。 だから当面はまだまだ元気で頑張っていかねばいけないわね。 少なくとも、私のような考えを持つようになるまでは頑張らないとね。(あと40年位?(;’∀’)
とにかく・・子供の頃から言われ続けているあの言葉は、自分の体に染み込ませようと思う。
自分が死んでしまった後に「あれやっておきたかった(´ε`;)」なんて後悔の涙をながさないよう、毎日を大切に楽しく生きようとおもう。
お母ちゃん、いつもありがとう。 息子よ、楽しもうな。